2016年02月24日

なぜか郷愁

「山の郵便配達」という映画を観ました。1999年制作の中国映画ですが、なぜか郷愁のようななんとも言えない気持ちになりました。深山の緑、車の通らない石畳の道、時を経た木造の家々が、自然と共有しながら暮らしていた時代への憧憬とアジア共通の趣が懐かしさを感じるのでしょう。

時代は80年代初頭。中国湖南省の山間地帯を歩きながら郵便配達を父は、息子を後継ぎとするため、最後の仕事に息子を連れて旅立ちます。険しい山岳地帯の村々を郵便配達し、強い責任感で村人の信頼を集める父の姿を見る息子は、この仕事の責任の重さと誇りに気づきます・・。

ストーリーは淡々としていながらもトン族の娘との出会いなど淡いラブストーリーも絡め進んでいきます。配達に同行する愛犬がシェパードというのがちょっと?ですが、かわいいです。

今の中国は共産主義とは思えない異常な貧富の差を持ついびつな国となっています。無理な開発と都市部への人口流入が続き、大陸らしいのんびりと時間が流れる悠久の里山も日本がそうであったように消えてゆくのかもしれません…。


*YouTubeには吹替版or字幕版の映像がありませんでした。




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2016年02月18日

不穏な散歩

よく散歩をします。時には本牧から元町を越え大桟橋まで歩くこともありますが、この季節は日が短く17時を過ぎると暗くなってしまい、帰りは闇が迫ってくるようになりました。

暮れなずむ中、iPhoneから流れる音楽は、時にその場の景色を一変させてしまうことがあります。種々雑多な曲をたくさん入れているので、Air Supplyの「Even The Nights Are Better」が流れれば、”アーバンライフ”な80sのサンセット気分になりますし、水戸黄門のサントラ「弥七のテーマ」がかかれば、これから闇の中へ探索に出かける気分になってしまいます。

なかでものんびりした散歩を一瞬で不穏な空気にし、逢魔時のぼんやりした闇の先に何か潜んでいるのでは、と思わせる曲というのがあります。下記で紹介する曲が流れると、不穏でちょっと怖いような気分になりますが、ホラー映画や横溝映画の登場人物になったような錯覚に陥り、ちょっとほくそ笑んでしまいます。

●Falling - Julee Cruise
「ツインピークス」のテーマ(ボーカル入り)です。霧が漂い始め、何か不可解なことが起きそうです。本牧の外国人の多く住む豪邸街でかかるとぴったりです。


●愛のバラード - 大野雄二
「犬神家の一族」のテーマです。本牧山頂公園裏山から旧家(その家の山には大文字もあります)のある小道あたりでかかると、何か因習に囚われた事件に出会いそうです。


●Gnossienne No.1 ( Lent ) - Erik Satie
サティの曲は精神に影響します。何かノスタルジックでもあり、パラレルワールドに迷い込んだような気持ちにさせ、もう一人の自分に出会ってしまいそうです。


●Carmina Burana : Fortuna Inmperatrix Mundi: O Fortuna - Orff
不穏な出だしからあたりの風景が変わります。印象的な旋律の繰り返しは、薄暗い空から何か邪悪なものが襲ってきそうで、ついつい足早になってしまいます。




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2016年02月14日

小津安二郎アングル


世界的評価の高い小津安二郎作品。静謐な空気感と緩やかな時間感覚は、観るとなんとも言えない安らぎと日本美の豊かさを与えてくれます。

独自の会話シーンやローアングル、ローポジションの構図、どこかしらに赤のアクセントを配置などこだわりの美意識を持っていて「小津調」と言われていますが、ここで紹介するパースのついた通路の奥を人が通り過ぎてゆく構図も有名です。計算され尽くした構図とモチーフ(さらに赤のアクセント)は美しい絵画やグラフィック作品を見ているようです。


●Ozu // Passageways
Kogonada
https://vimeo.com/55956937



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