2019年09月23日

純愛名作「野菊の如き君なりき」


伊藤左千夫の名作「野菊の墓」は、何度も映画やドラマ化されていますが、その中でも最も原作の世界を味わえる、1955年・木下惠介監督「野菊の如き君なりき」を紹介します。ストーリーはベタすぎるほど知られていますが、年老いた男の回想で始まる、若き日の純愛を描いています。

旧家の息子政夫は、手伝いにきた2歳年上の従姉の民子といつも一緒にいるほど仲が良く、二人はお互いを「民さんは野菊のような」「政夫さんは竜胆のよう」と例え、惹かれあっていきます。子供から大人への時期、村に噂も広まって周りは心配するようになり、政夫は寮のある町の学校へ入れさせられ、民子は半ば強制的に嫁がされたことで、悲劇的な結末を迎えます…。

残念なのは、モノクロ映画なので美しい田園風景に色がないところです(原作の場所は柴又の向かい松戸矢切ですがロケ地は長野千曲川や飯綱)。ただ田村高廣の民子の死を政夫に伝えるシーンの演技は必見です。大げさで感情的な演技になりそうな場面をさりげないようでものすごく深い悲しみを見事に伝えています。1981年の松田聖子主演のものも悪くありませんが、原作を好きな方は、1955年の木下作品をお勧めします。





posted by Kadan at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画紹介
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