
そろそろ桜餅が食べたくなる季節です。桜餅には、小麦粉を薄く焼いた皮であんを包んだ関東風と道明寺粉を使い半餅状であんを包んだ関西風の2種類がありますが、元祖は、向島の「長命寺 桜もち」と言われています。由来は、1717年(享保2年) に長命寺の門番をしていた山本新六という人が、桜の落ち葉に手を焼き、ふと思いついて桜の葉を塩漬けにし、あんこを小麦粉の薄皮で包んだものをその葉で巻いて売ったところ、大人気になった、ということです。
この長命寺の桜もちは、広く出回っている関東風桜餅とはちょっと違います。桜色の皮であんをロールし、一枚の桜の塩漬け葉で包んだものが関東風桜餅のイメージですが、長命寺の桜もちは、白く薄い皮を二つ折りにしてあんを挟み、三枚の桜の塩漬け葉で包んでいる、元祖ならではの桜餅です。
江戸時代の隅田川の土手は、桜並木の名所で、土手からは遠く富士山も見えてたことでしょう。現在も長命寺横に本店がありますが、目の前の道路の上を首都高が通っていて江戸情緒はありません…。それでも近所の老舗の団子3つ600円以上ような老舗価格ではなく、1つ200円と手頃なので、元祖桜もちを食べてみたい方は一度訪れてみてください。
●長命寺 桜もち
墨田区向島5-1−14
http://sakura-mochi.com/