
1960年代、日本の若手建築家が夢見た建築運動「メタボリズム」。時代や環境に合わせ柔軟に可変、増築できる建築、そして都市を目指す壮大で斬新なものでした。
丹下健三の「東京計画 1960」(上の画像)がもし実現されていたら、今とはまったく違った東京になっていたでしょう。しかし現実は、無秩序にそして調和なく東京は発展し、この思想は結局一時代のものとなってしまいました。老朽化で話題になっている「中銀カプセルタワービル」もカプセルごと交換しながら”新陳代謝”するはずが、一度も交換がないまま、いたるところ老朽し住み続けることが困難な状況になっています。
そんな中、いまだ現役でメタボリズムの世界を味わえるホテルがあります。自然に包まれた場所では、本来は景観に溶け込む木造の日本家屋の旅館が私の好みですが、悲しい無個性なビル型宴会ホテルとは違う、異空間を味わえるメタボリズムホテルは、ちょっと行ってみたい気持ちになります。

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