2024年02月20日

「不適切にもほどがある!」がいい!

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指標が世帯から個人視聴率に変わり、ドラマも若年層向けのマンガ原作、アイドル俳優ばかりで観るものがなくAmazonとNetflixメインに移ってしまいましたが、久しぶりに民放地上波ドラマ「不適切にもほどがある!」を楽しんでいます。

脚本・宮藤官九郎、主演・阿部サダヲというだけで観始めたのですが、1986年が一方の舞台なので、ほぼ自分の青春時代と被り、思わず笑いが込み上げる小ネタがたまりません。コンプライアンスが厳しい現在と結構やりたい放題だった昭和=1986年(内容的には82.3年の方が合ってる気がします)を舞台とするタイムスリップもののコメディドラマですが、この設定を使い、今ではコンプライアンス的にダメな表現も、
「時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、1986年当時の表現をあえて使用して放送します」
というやり方で逃げる上手いやり方が秀逸です。「チョメチョメ」「宜保愛子」「トゥナイト」「クラリオンガール」など当時を知る人間に刺さるワードの台詞回し、喫茶店のマスターが86年袴田吉彦-現代沼田爆という配役の妙さも笑ってしまいますし、主人公の娘純子役の河合優実の時々見せる仕草が中森明菜のようで、気持ちが80年代に戻ってしまいます。これからもっと「大人計画」の怪優たちを出して、よりクドカンワールドで突っ走ってほしい、期待以上のドラマです。

TBS 「不適切にもほどがある!」
https://www.tbs.co.jp/futekisetsunimohodogaaru/

● 少女A - 中森明菜


● ギンギラギンにさりげなく - 近藤真彦


● チェリーブラッサム - 松田聖子


● MIDNIGHT FOX(トゥナイトopテーマ)


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2023年12月20日

東野黄門の頃

BS TBSで、初期「水戸黄門」のデジタルリマスター版の再放送をしています。現在第5部まで放送していますが、やはり東野黄門こそ私にとっての「水戸黄門」です。ロケ地もまだまだ古き日本風景が残っていますし、90年以降のビデオ映像が作り物感丸わかりの下品さ(+ハイビジョン以上にアップコンバートするとボケボケになってしまう)なのに対してフィルム映像は、別世界の御伽話のようないい味が出ています。

今の時代ほぼ絶滅してしまった顔を持つ怪優たちによる悪代官や家老は、ものすごい存在感ですし、「ブギウギ」のモデル笠置シズ子(女優時代は笠置シヅ子)もおばあさん役で二度ほど出演していて、ある意味今回の再放送は貴重です。

黄金期「水戸黄門」は、懐かしく楽しい反面、そこに登場する出演者の多くがもうこの世にいないこと知ります。それだけ時が流れたわけですが、時代劇としてはその方が、より勧善懲悪の別世界として合ってるのかもしれません。

● 水戸黄門サントラ - 弥七のテーマ


● 水戸黄門サントラ - 殺陣のテーマ



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2023年01月14日

ベイビー・ヨーダに和む


Disney+で配信されているドラマ「マンダロリアン(The Mandalorian)」。「スター・ウォーズ /ジェダイの帰還」の5年後の世界で、賞金稼ぎマンダロリアンを主人公に描いたドラマですが、そこに登場するベイビー・ヨーダこと”ザ・チャイルド(グローグー)”が、可愛すぎると世界中でファンが急増しています。

ベビーヨーダの年齢は50歳と人間年齢では中年になってしまいますが、マスターヨーダの年齢が900歳程度なので50歳はまだ幼児、意思疎通も微妙で勝手に何かをいじったり、フロッグ・レディの卵を盗み食いするなど、純粋無垢な感じ(人間の赤ちゃんというより小動物的)がたまらず、つい笑みが溢れます。

観終わってしまった喪失感から、Amazonで思わずアニマトロニックのザ・チャイルドを買ってしまいました。作り込みもなかなかリアルで動きや声もクオリティが高いです。




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2022年12月16日

昔のドラマのいい感じ

1972年の「幸福相談」という古いドラマがTVKで放送されていました。横浜を舞台に、ある姉妹と兄弟が出会ったことから始まる恋模様をコメディータッチで描いたドラマですが、今のドラマにない純粋さというか素朴さがたまらない作品でした。私の知らない1972年の横浜の風景も魅力で、高速道路のなかった頃の横浜駅東口の歩道橋や駅と高島屋-相鉄口の間が屋根なしの商店街だった風景、活気があった時代のイセザキモールなど今と比較するのも楽しかったドラマでした。

またAmazon Prime Videoでも70年代ドラマの傑作といわれる、石立鉄男ドラマ「雑居時代」も始まりました。父と娘5人の家に同居することになった主人公のシチュエーション・コメディで、こちらも成城を舞台になんともいえない70年代の”陽”の世界が満載な作品です。子供の頃再放送でなんとなく見た記憶では、大原麗子の美しさばかりが印象的でしたが、改めて観ると出てくる女優陣みんな魅力的です。以前スカパーで見逃したエピソードが数話あったので、改めてじっくり楽しみたい作品です。







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2022年09月09日

金田一耕助がいたあの頃


まぼろしの人 - 茶木みやこ

金田一耕助といえば、古谷一行でした。子供の頃観たTBSの連続ドラマ「横溝正史シリーズ」が強烈な印象だったからでしょう。映画の石坂浩二版金田一を見た時は、カツラや和服など何か扮装感が強くて、なかなか馴染めませんでした。

まだ当時はギリギリ田舎の山村には古い集落がなんとか残っていて、本当にそんな陰惨な事件が起きそうな生活感あるロケーションでしたが、90年代あたりからどんな山奥に行ってもロケが難しくなり整備された観光村やオープンセットになって、ビデオ撮影になったことも重なり作り物感が強くなって魅力は薄れてしまいました。もうあのなんともいえない横溝ワールド満載のドラマは、再放送でしか味わえないでしょう。


あざみの如く棘あれば - 茶木みやこ


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2022年03月13日

日本のCM変遷


日本が元気だった頃は、観賞してしまうCMがたくさんありました。映画の一コマのようなものから斬新な映像と音楽、セリフも何もなく最後にブランドロゴが出るだけなんていう企業イメージCMも普通でした(上のキングクリムゾンのMoonchildを使用した三陽商会のCMも見入ってしまいました)。景気が良く一つのCM制作に数億かけていた時代だからこそできた余裕でしょう。

バブル崩壊前とは違うのは仕方ないですが、ここ数年ゴールデンタイムでも通販企業や健康食品、美容外科の陳腐なCMが流れるのを見ると、日本は本当に落ちてしまったんだな、と悲しい気分になります。

今、気になるCMはほぼマイナスイメージなものばかりです(ほぼHDD録画のCM飛ばしで観てるのでニュースや一部のバラエティくらいでしかCMを見ませんが)。UberのCMが流れるとあえて出前館にしたくなるし、日清カップヌードル系はターゲットをDQN系に絞ったチープ感で購入するのが恥ずかしくなります。ちょっと違う意味で気になるのが、アクサダイレクトのCMで、BeatlesやStackridge的アレンジでメロディはアルバート・ハモンドの「For The Peace of All Mankind(落葉のコンチェルト)」もろパクリ(ドリカムのLOVELOVELOVEも)のCM曲で、盗作苦情が来ないのが不思議なくらいです。



プラスイメージで観賞してしまうCMはディオール位しか思いつきません…。


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2021年02月20日

時代劇が輝いていた頃

福本清三さんに続き、圧倒的悪役顔の小峰隆司さんが亡くなり、時代劇全盛の時代は遠い昔になりました。

小学校低学年の頃から、家族がドラマやクイズを観る時でも別室に行って1人で観るほど時代劇が好きでした。何が魅力かと考えれば、普通の現代ドラマではあり得ない世界観でしょう。夏は怪談がらみの話が必ず登場し、長屋に住むイカれた人やズッコケた人は落語のよう。そして最後は悪人を退治する、そんなドラマは現代ドラマではあり得ません。

そんな時代劇が衰退した理由はいくつかあるでしょうが、私にとってはフィルムからビデオに変わったことで、異空間だった世界が生々しい作り物の世界に変わったように感じ、その頃からリアルタイムの時代劇は観なくなりました(フィルム撮影の再放送は観つづけました)。20代にしてすでに東野黄門を懐かしみ、梅之助伝七再放送を切望するようになって、新作時代劇への興味は消えました。

今もBSでは再放送時代劇で福本清三さんや小峰隆司さんのエネルギッシュな姿が観られます。BS日テレでは名作「伝七捕物帳」も放送しています。多くの名優がもうこの世にいないのが残念でなりませんが、全盛期の名作が観られるのは嬉しいものです。ただ、BSを席巻する「夢グループ」のCMが、あらゆる活力を奪い人生を虚しくさせる力を持っているので、その点だけが難点です。




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2020年11月07日

24 JAPAN 挫折…

最初からオリジナルと比較するのは酷だとわかっていました。それでも日本製「24」が、どれだけあの緊迫ある世界観を出してくれるのかちょっと期待していたのですが、やっぱりというか3話で挫折しました‥。

オリジナル「24 -TWENTY FOUR-」は1話を観終わると、すぐにでも次が観たい、この後どうなっちゃうんだ、という緊迫感と期待感が見どころだったのですが、「24 JAPAN 」は観終わると、まだ後20回以上も観続けないと解決しないのか‥長いなとなってしまう。何より世界の警察を気取る超大国=米国大統領候補暗殺に絡むストーリーを誰がなっても世界に影響のない日本の総理候補暗殺ではリアリティがなさすぎ(綿密な計画とお金、組織を使って危険を犯さなくとも派閥の寄り合いで辞退させられる国)ます。予算が本家の10分の1もないので仕方ないのでしょうが、CGやCTUのセットの安っぽさ、許可が簡単そうなロケ地、あらゆるもののスケールが小さくて、日本自体が何ランクもレベルの低い国に感じてしまい、悲壮感すら感じてきてしまいました。いろいろ契約上取り決めがあって設定など変えられないので無理があるのでしょうが、オリジナルの強烈なキャラたちと緊迫感が全く感じられない、とにかく残念な「24 JAPAN 」になってしまいました。


- オリジナル「24 -TWENTY FOUR- 」シーズン1 早わかりダイジェスト -


余談:
「24 -TWENTY FOUR-」では謹厳実直で、これぞ理想のアメリカ大統領ですが、実際のトランプはわがままな子供のような老人です。大統領選は混迷していますが、中国口撃しているだけで支持する右翼の人が多いですが、彼はどう考えてもアジア人を蔑視する思考ですし、自分にプラスなら掌を返したように中国と握手して、子分日本が逆らえば無謀な圧力を平気でかけてくるでしょう。
教条的な福音派や下層白人(勝手なイメージですが、ネルシャツにキャップ姿、ライフルを載せたピックアップトラックで道路沿いのダイナーやバーでたむろしてる人)の熱狂的支持は凄いものですが、分断された不自由な国アメリカになってしまいました。はやく属国並みの大統領選報道の洪水が終わっほしいものです。


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2020年08月18日

昔はアートなサントリーCM

日本が斜陽してからアート系CMがほとんど見られなくなりました。かっこいいCMの代表メーカー「サントリー」も今は昔。80年代歌謡曲を替歌にした”どうして…”というような俗っぽいCMを流すメーカーになってしまいました。すごい撮影監督を使い、イメージ通りの映像を作るための潤沢な予算のあった時代の芸術作品のような、かつてのサントリーCMを紹介します。

● ランボー


● マーラー


● 雨と子犬


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2020年01月23日

グッドバイ。ペッパー・ポット


英国コメディー界のビートルズと言われたモンティ・パイソンのテリー・ジョーンズが亡くなりました…。

ここ数年は認知症など病に苦しんでいたようで、歴史学者でもあった(オックスフォード大出身)人としては辛かったでしょう。伝説的な人たちが次々とこの世から去っていきますが、作品はいつまでも残り続けます。

モンティ・パイソンを知らない人も多いでしょう。動画配信サービスで字幕版を配信して欲しいのですが、権利が高いのか映画数本以外観られません。Amazon Primeでぜひ配信して、伝説の爆笑を観てみたいです。RIP Terry Jones.



posted by Kadan at 19:12| Comment(0) | TrackBack(0) | TV・ドラマ