この季節になると、ふと山形の酒田へ合宿免許に行ったことを思い出します。思い出は美化されるものですが、その時の情景が別世界の出来事のように蘇ります。
行きの新潟から酒田までの”これぞ冬の日本海”といった「特急いなほ」?の車窓からスタートした2週間(東京から新潟までの新幹線内の記憶はほぼありません)。集団生活、早起き、試験などどう考えても苦手なことばかりなのに、楽しかった印象しか残っていません。特に幻想的風景として思い浮かぶのが、時間が空いた時に部屋の6人で行った日本海沿いの喫茶店のひと時です。薄暗く広い空間は絶妙なうらぶれ感で、広い窓から見える吹雪く日本海の冬景色が何か映画の一コマのように記憶されています。
Googleストリートビューでその場所を探そうとしたのですが、30年前でもありはっきりとした場所が分からず、当たりをつけた教習所はなんとなくわかったのですが、合宿所や喫茶店が全くわかりません。地図を見ると喫茶店があるような酒田郊外で海沿いの高台の道がありません…。記憶が勝手に作り変えたのか、もう迷宮状態になってしまいました。やはり別世界の出来事だったのかもしれません。
教習所の休憩室のTV(洋楽番組)から流れていたMy Bloody Valentineから
● Strawberry Wine - My Bloody Valentine
2024年03月05日
2024年02月20日
「不適切にもほどがある!」がいい!

指標が世帯から個人視聴率に変わり、ドラマも若年層向けのマンガ原作、アイドル俳優ばかりで観るものがなくAmazonとNetflixメインに移ってしまいましたが、久しぶりに民放地上波ドラマ「不適切にもほどがある!」を楽しんでいます。
脚本・宮藤官九郎、主演・阿部サダヲというだけで観始めたのですが、1986年が一方の舞台なので、ほぼ自分の青春時代と被り、思わず笑いが込み上げる小ネタがたまりません。コンプライアンスが厳しい現在と結構やりたい放題だった昭和=1986年(内容的には82.3年の方が合ってる気がします)を舞台とするタイムスリップもののコメディドラマですが、この設定を使い、今ではコンプライアンス的にダメな表現も、
「時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、1986年当時の表現をあえて使用して放送します」
というやり方で逃げる上手いやり方が秀逸です。「チョメチョメ」「宜保愛子」「トゥナイト」「クラリオンガール」など当時を知る人間に刺さるワードの台詞回し、喫茶店のマスターが86年袴田吉彦-現代沼田爆という配役の妙さも笑ってしまいますし、主人公の娘純子役の河合優実の時々見せる仕草が中森明菜のようで、気持ちが80年代に戻ってしまいます。これからもっと「大人計画」の怪優たちを出して、よりクドカンワールドで突っ走ってほしい、期待以上のドラマです。
TBS 「不適切にもほどがある!」
https://www.tbs.co.jp/futekisetsunimohodogaaru/
● 少女A - 中森明菜
● ギンギラギンにさりげなく - 近藤真彦
● チェリーブラッサム - 松田聖子
● MIDNIGHT FOX(トゥナイトopテーマ)
2024年02月09日
冬に合うロシアの旋律
ロシアといえば、独裁政治、偏った愛国心、戦時の残酷性、既得権益と官僚主義など負のイメージが強いですが(政権交代のない既得権益国家日本も似てますが)、ことクラシック音楽に関しては独自の美意識を持った優れた名曲がたくさんある国でもあります。
重厚で哀愁ある美しい旋律は、トロイカやカリンカ、ポーリュシカ・ポーレなどのロシア民謡にも通じますが、短調で物悲しさを感じつつも圧倒的な存在感があります。冬に合う美しいロシアの旋律を3曲紹介します。
● ショスタコーヴィチ ワルツ第2番
● プロコフィエフ キージェ中尉 第2曲:ロマンス
● ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 1楽章
重厚で哀愁ある美しい旋律は、トロイカやカリンカ、ポーリュシカ・ポーレなどのロシア民謡にも通じますが、短調で物悲しさを感じつつも圧倒的な存在感があります。冬に合う美しいロシアの旋律を3曲紹介します。
● ショスタコーヴィチ ワルツ第2番
● プロコフィエフ キージェ中尉 第2曲:ロマンス
● ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 1楽章